2008年 06月 02日
王滝(ダラダラ徒然なるままに) |
今年もいってきました王滝。
今回で4回目かな?
成績の方は過去最高の総合8位、年代別1位。
感無量です。
無事に走れたのは、サイクリング気分で走った一回目だけで、自分の中では結果を狙った去年、一昨年はメカトラ、パンクで散々な思い出しかありません。
というか、去年出たレースはメカトラ、パンク、コース間違えて失格・・・
ろくな思い出がない(笑)。
そんなろくな思い出がないレースから学んだ事は「気負わない事」。
今年は、目標タイムは設定しないで、「無理せず、気負わず、トラブルなし」これだけを胸に秘めていたのでした。
なので、減量はしない(できず)、スネ毛はボーボーの自然体。
気負うことなく、レース当日を迎えました。
いつもどおり、3時起床。
ゆっくり朝飯を食べて、バイクチェックをしても楽々最前列付近にバイクを置けるのが車中泊のいいところ。
4時過ぎには、全ての準備を終えた・・・いや、やり残しがひとつだけ。
お通じ。
これは、非常に重要。
これだけで一体何百グラムの軽量化ができるのだろう?
今のアルミフレームからカーボンフレームに取り替えるくらいの軽量化ができる気がする。
で、軽量化のほうは・・・失敗。
水の流れないトイレに入り、中の惨状を目の当たりにした刹那、お通じが引っ込みました。
「まぁ、いつもの事だし仕方ない」
全ての準備を終え、スタート場所に赴き、仲間と挨拶やらおしゃべりをしている間にスタート5分前。
身が震える。
武者震いではない、寒いのだ。
レーパン、半そでジャージ一枚ではとても寒いのだ。
ガチガチ震えながら、スタートの時を待つ・・・ん?ちょっと待て、車の鍵どうしたっけ?
トップチューブのベントBOXにいれる予定だけど、入れてないぞ?
慌ててジャージのポッケをまさぐるが、無い。
「車の中に忘れてきちゃった・・・」
どうしよう?車に戻ろうか?
ちょっと悩むも、結局そのままにすることに。
自転車乗りに悪い人は居ないぜ!!
一昨年、トイレにサングラスを忘れたらそのまま出てこなかったけれど・・・
バンバンバン!!
いつもの気の抜けた「ぷわぁ~ん」ではなく、今年は爆竹の合図でレース開始。
例年どおり、舗装路は誘導車両がついてパレード走行なんだけど、その誘導車両が結構早い。
いつものコースだと、すぐに舗装路を上るんだけど、今年は平坦基調のせいかな。
軽めのギアをクルクル回しながら身体を温める。
お隣のストラーダの巨匠さんとお話をしていると、程なくしてパレード走行を終えて、本格的スタート。
パレード走行の速度が速かった&6月のマッタリムードのお陰か、林道に入る頃には、20人位しか人がいない。
自分の心地よいスピードで進んでいくと、前には先頭集団の数名しかいなかった。
「ちょっと頑張って、集団についていこうか」
そんな考えが一瞬よぎるも、心拍も180超えていたので考えなおす。
「無理しない、無理しない」
自分にいいきかせて心拍は175程度、位置取りは先頭集団後方で坦々と進む。
いつもだと、最後のお楽しみDHコース8kmを登るわけだけど、路面も締まっていて道幅も広く、とても走りやすい。
スタート前は、寒くて震えていたが身体も暖まり、外気はヒンヤリしてとても気持ちがいい。
気持ちよく登っていると、数名にパスされる。
ついていかずにそのまま見送る。
速度を上げるのではなく、ペースを守りタレテきた人を抜くという、「焼肉作戦」。
まだまだタレてはこなさそうので、代わりにカーボショッツを一口。
バニラ味はまずい、ハズレだ。
最初のピークを過ぎて、最初の下り。
路面はよく、まずトラブルの心配はないけど・・・安全運転。
少し下っては、トップチューブのベントBOXは大丈夫?ツールBOX落としていない?ポッケの中身はある?パンクはしてない?
もう、トラブルはコリゴリなので慎重に下る。
それにしても、景色がいい。
山の裾野に広がる雲海、真っ青な湖、etc・・・
下りながら見とれてしまう。
景色ばかりではなく、トラブルないか、自転車もみないとね・・・って、早くもベントBOXのマジックテープが取れていて、中のジェルフラスコが一個なくなっていた(泣)。
「どうしよう?取りに戻ろうか?」
一瞬迷ったが、やはりやめた。
去年の木島平では、わざわざ取りに戻ったのに結局見つからなかったし、1個落としてもまだ3個あるし、足りるはずだから。
ジェルフラスコを落とした以外は、とても順調。
今年はタイヤを太くした(ミブロマラソン2.25)ので、登りがちょっと不安だったけど、案外気にならない。
下りのコーナーで気を抜いたとたん外に膨らんじゃうけど、ストレートの下りは快適そのもの。 タイヤチョイスは正解でした。
それにしても・・・寂しい。
最初の林道で数名に抜かれた以外、人と接していない。
前も後ろも誰も居ない。
「一人旅、まさにセルフディスカバリーだな・・・」
そんな事を呟いていると、尾根の巻いたはるか前方に先頭集団が見える。
「う~ん、パンク1回分かなぁ」
早く、だれかタレルなり、落ちてくるなりして欲しいなぁ。
しかし、その願いは最後まで叶わない。
そんなこんなで、いつもの無限坂に到達。
いつもは地獄のような坂も、今回は下り坂。
路面状態もよく、あっという間に終了・・・なんだけど、ここらで不安材料が一つ。
「腰がイタイよ~」
レース前にいためた腰がここら辺から疼きだす。
まだ半分もきていないのに、この痛さはヤバイ気がする。
でも、どうにもならない。
気合と我慢が日本人の美徳なり。
無限坂を下り、ダム湖周辺前の森の中・・・
「バカヤロウ!!」
思いっきり叫んだ。
去年パンクした場所、なんだか無性に悔しくなって叫んでみた。
とても気分がいい、自分の中のトラウマが一つ消えた感覚でした。
ちょっと気分が良くなったまま、ダム湖周辺に到達。
この平坦区間は地味にきつい、休んだら負けだと思い、つい踏んでしまう。
ダンシングしたり、姿勢を変えたりしながら、腰痛をごまかしてみる。
腰痛もきついが、CP2がどこにあるのかわからないのが精神的にきつい。
水は750ml×2本持ってきたけど、残りが心もとない。
自分の勝手な予想では、ダム湖手前かダム湖終わりくらいかと思っていたけれど、CP2は見当たらない。
ダム湖区間を過ぎて、とうとう登りになってしまった。
「おいおい、水がないよ・・・」
今までの記憶だと、天然エイドステーションはいくらでもあった記憶があるんだけど、それはダム湖を過ぎてからのお話。
今回は逆回りだから、エイドステーションが豊富な場所は、もう過ぎてしまったのだ。
エイドステーションはないけど、道の脇には天然のドブみたいなあるので、それを汲めばいいんだけど、流石に気がひける。
「この先にCP2があるはず・・・」
そう信じながら、登ったさきには・・・ない。
「ここをまがった先に・・・」
やはり・・・ない。
「なんでCP2ねぇんだよ!!もう水ねぇよ!!」
一人旅なので叫びたい放題です。
叫べども、水がでてくるわけではなし・・・
「仕方ない」
道の脇のドブから水を汲む。
流石は王滝の水、とても澄んでいる・・・が、ゴミが結構入っちゃった(泣)。
CCDを溶かせば、ゴミなんて見えない見えない。
ここら辺から腰痛がどうにも誤魔化しきれなくなり、腰をかばったせいか首と肩も酷く痛む。
ここまでヒドイのは王滝参戦して始めての事。
初めてでた時は、でかいリュックを背負って走ったけど、ここまでは酷くなかったなぁ。
顔のほうれい線よりも、白髪の数よりも、歳を取った事を実感しました。
CP2を過ぎた後は、進めば進むほど、路面がガレガレ。
いつもはガレた下りだけど、今日はガレた登り。
「どっちがましかなぁ」と思いつつ、登っていると、ラインを間違えそのまま転倒。
下った方がましだったみたい。
この転倒で、身体の痛みに耐えていた気持ちが一度きれました。
「あぁ、イタイ。でも、こうしていると腰はイタくないなぁ・・・」
少しの間、そのまま固まりタイムロス。
ちょっと気分が晴れたので、立ち上がり、水を飲んで一息。
「どうせ誰もこないし、ゆっくりいこうかな」とおもった矢先、アンセムに抜かれる。
服装も全然汚れていなく、水を飲んでいる姿も余裕が漂っている。
あぁ、なんて事だ!!
相手がタレる前に自分がタレてしまうなんて!!
無理をしないのと手を抜くのは違うのだ。
すぐさま抜き返し、自分に負けそうだった心に活を入れつつ、ガレ場を一気に登り、一気に下る。
後ろを見てみると、誰も居ない。
どうやら42kmの人だったらしい。
しかし、あのアンセムのお陰で折れかけた気持ちを持ち直すことができました、感謝。
第3CPを過ぎると、ピークは後2つ。
どんなに身体が痛くても、もうちょっとで終わりだ。
ゴールは間近、ここで出し切らずにどこで出し切るのだ。
一個目のピークを過ぎて、下りだす。
登り返して次のピークで後は下りのはず。
身体は痛い、水は少ない、でもいいんだ。
もう終わりだ。
もう一回、登りきれば終わりだ。
あぁ、あの先が頂上か?
下り始めた・・・とうとう登りきったんだ!!
「うぉ~」
叫びながら下った、そしてまた叫んだ。
「おわりじゃねえのかよ!!」
すぐに下りは終わってまた登り返し、そして隣の山まで道は続いている。
「終わりじゃねえよ!!」
と、言わんばかりにアップダウンは延々と続き、逆回りの恐ろしさを最後まで味わいました。
そうして、やっと、やっと、本格的な下り。
下りでアウターに入れられるのは、幸せだ。
去年は、メカトラのせいで下りなのにインナーローしか使えなかったから、幸せもひとしお。
そして、感動のゴール!!
タイムは5時間46分。
タイムなんかより、ノントラブルで走りきって、力を出し切れたことが一番うれしい。
やっぱりレースはこうでなくちゃね。
トラブル無く走ってくれてありがとう!!
by 9_daizu_9
| 2008-06-02 22:36
| 自転車